2012年4月26日

魂が表現する絵 - 友愛


先月、コンサート会場でBさんにばったり出会った。Bさんは今年に入ってガンを再発したため化学療法を受けており、心身ともに大変辛い状況にあることを共通の友人Aさんから聞いていた。

しかし、この日Bさんは、そんなことがあったとは思えないほど元気な様子で、「私もやっとこうして外に出てみようという気になれたんです」とニコニコしながら話してくれた。

Bさんは、おしゃれな帽子をかぶって嬉しそうにしている。その帽子に私の視線を感じ、「これ、Aさんが私のために作ってくれたの。帽子に髪の毛を こんなにきれいに付けてくれて、すごく気に入っているの」と言って、かぶっている帽子の端を少し折り曲げて、付け毛の縫い目を見せてくれた。

そのときまで私の頭の中には化学療法のことはなかったので、これを見てハッとした。次の瞬間、胸が熱くなり、涙が出そうになった。

Aさんは、腕を骨折してリハビリ中でありながら、ほとんど毎日Bさんの家に足を運び、治療後ぐったりとしている彼女のそばにいてあげたり、彼女やご家族に食事を作ってあげたりしていたということを、別の友人から聞いていた。

腕が痛いにも関わらず、毎日のように通って食事を作り、Bさんが外出するときには気分よく出られるようにと、この帽子に付け毛を切って縫い込んで いる献身的なAさん。そのAさんが一人、部屋で一生懸命縫っている姿が目に浮かび、それと同時に、今ここでニコニコしているBさんを見た瞬間、二人の間の 強い絆が圧倒的な愛のエネルギーに満ちた眩い光の綱となって目の前に現われ、私の心を捉えた。涙が出そうになったのは、この瞬間であった。

その後、Aさんのお宅でBさんがタッチドローイングをすることになり、お二人の許可を得たので、以下に作品をいくつかご紹介します。

Aさんの作品の一部



























 Bさんの作品の一部













さらに、この日は特別に、互いに向かい合って座り、沈黙のまま一定の時間相手の目を見つめる「ジョイニング」というワークを行いました。サポートで入ってくれたCさんを交えてジョイニングをした後、再びドローイングに戻りました。

ジョイニング後の作品

A
さん

   「なぜか母のことが浮かんだので母を描き始めたら、無性に涙が出てきて・・・母はパンチパーマみたいな髪をしてるんだけど、パーマの部分を描いていたら、 大仏の頭に見えてきて・・・母が大仏になった」とAさん。お母様との確執に苦しんできたAさんが描いたこの絵のプロセスは、とても印象的でした。


B
さん

「うまく描けなかったけれど、3人が手をとり合っているのを表現したかったの」とBさん。ジョイニングは向かい合うだけで、手を取り合うことはしませんでしたが、心はこんな感じだったのでしょう。


ジョイニング後二枚目の作品は、偶然にもお二人ともハートになりました。上のAさんの作品のタイトルは「いのち」。下のBさんの作品のタイトルは「Oneness (ワンネス)」。
 



そして、最後にBさんがAさんのイメージを絵にしました。タイトルは「いやしの母なる木」。 



~ ~ ~ ~ ~


上の、Aさんがジョイニングの後に描いたハートの絵の下半分は、木の幹と根になっていますが、それはBさんが描いた上のイメージ絵の下半分と非常によく似 ています。また、下は、Aさんがジョイニング直前に描いた絵(タイトルは「静寂」)で、木と鳥という要素が、Bさんによるイメージ絵でも表現されており、 Bさんの絵はAさんの存在を讃えているかのようでもあります。

描いた絵は最後にシェアするため、お互いに絵は見ていませんが、既に繋がっていることがわかります。二人の深い友愛は、見る側にも力を与えてくれます。

タッチドローイングの創始者デボラ・コフチェイピンさんは、タッチドローイングは「魂が表現する絵」だと言っていますが、今回私は魂の絆の世界に立ち合わせていただいたと感じています。

 
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岡部明美さんのカウンセラー・セラピスト講座がきっかけで出会った岡山のもんじゅさんと大分のsarisari さんと、それぞれ来月共同でワークショップを行います。

普段とは異なるスペースと時間の流れに身を置き、2日間じっくりと時間をかけて、ドローイングと、もんじゅさん、sarisari さんそれぞれのユニークなワークを組み合わせ、さらに深い意識の層へと入ってきます。

ご興味がある方のご参加をお待ちしております。

岡山ワークショップ: 5月19~20日 (10:00~18:00)
詳細 http://web.me.com/monjel1315/Site/gate_of_orion.html
お問い合わせ・お申し込み Heart of Life さんまで
Tel: 086-277-5783 または 080-4267-8493

大分ワークショップ: 5月26~27日 (10:00~17:00)
詳細 http://db.tt/LIeXX0F3
お問い合わせ・お申し込み 椋梨 晶子(ムクナシ アキコ)さんまで
Tel: 090-8351-8318 メール: sari210@docomo.ne.jp

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