タッチドローイングのセッションで、毎回参加者に顔を描いてみることをお勧めする。それはいつも鏡で見ている自分の顔ではなく、心で感じる顔である。魂の顔と言ってもよいかもしれない。
描き方は自由である。鼻からでも左目からでも、どこから描き始めてもよい。目を閉じて、自分の顔の部分をひとつずつ感じながら描いていってもよい。
今この瞬間の自分の眉はどんな感じか、口はどんな表情? そんなことをひとつひとつ感じ取りながら描いていくと、興味深いものができる。
普段知っている自分よりも、ずっと自分らしいと感じるかもしれない。自分なのに自分だと思えないかもしれない。その顔のどこに何を見出すのか? 顔は何を語ろうとしているのか。
どうしても顔が描けないかもしれない。それはなぜだろう?
指は正直である。描いたとしても、マインドが入って操作したものなら、何か違うと感じることだろう。
たかが絵、たかが顔。それでも、ひとつひとつの顔には、何らかの物語がある。
この顔とじっくり語り合ってみたいと思うものもある。痛みや哀しみを告白してくる顔もある。見ているだけで深い部分が癒されたり、力が沸き起こる顔もある。自分よりはるかに多くのことを知っていて、大切なことを教えてくれそうな、そんな顔もある。
常に変化しているその他のすべてのものと同じように、描くたびに違う表情を見せる顔。
かお、顔、カオ、Face・・・。
(写真:参加者の絵、最初の1枚は私が過去に描いた絵)
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