2014年8月27日

タッチドローイング個人セッションの感想

関東からタッチドローイングの個人セッションにいらっしゃった方が、ドローイングの体験から感じたことを文章にまとめてくださいました。シェアの許可をいただいたので、ここに転載させていただきます。Mさん、遠方から猛暑の中をお越し下さりありがとうございました。ご一緒できた時間は、私にとって宝物のようです。

以下、体験談です。


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タッチドローイングの個人セッションを受けることができた。

セッションの最初に引いたソウルカードで印象を尋ねられ、出てきたのは、「無理矢理空気をかき分けて前に進む、暑苦しくしんどい人生」・・・どういう言葉 にしたか忘れたが、そういう印象だった。それはまさしく、今までの自分の生き方。力づく、というか、必死、というか。漕いでも漕いでも前に進まない・・・ そんな感覚を呼び起こされるカードだった。



そしていよいよ、順子さんの叩く太鼓の音と共に、タッチドローイングのセッションが始まる。画板にインクをローラーで伸ばし、薄紙を乗せる。そして、薄紙 の上に指を置く・・・。最初は試すつもりで、指の腹や爪、手のひらなど、いろいろな場所を使って、「直接手で描く感覚」を味わおうとする。

選んだインクはマゼンタ。他に紫や緑もあった。普段なら一番好きな色は紫だが・・・その時の私はマゼンタ、だった。

何枚か描いてみる。しかし、胸が詰まっているのか、頭が邪魔しているのか、「自分の中から湧いてくる」感覚になかなかなれない。なんらかの「抵抗」。チューニングの悪いラジオのような感じ。本当の声が聞きたいのに、聞き取れないもどかしさ。

しかし、何枚も描いていくうち、あるポイントでふっと、もう「割りたい」「出したい」という感覚がやってきて、球がわれて何かが飛び出す絵を描いた。

その後起こったことが面白かった。何かが降りてくるように、ふわっとエネルギーが満ちて描ける絵と、「いやいや無理だ無理なんだ」とばかり、閉じこもり無力な感覚をぼやくような絵が、交互に出てくるのだ。これはまさに今の自分の状態なんだろうな、とあとで思った。

時間いっぱいに描いた絵は二十枚以上、かなり多かったが、自分はそんなに無理をした感じはなかった。それらに一枚ずつ名前をつける。不思議なことに「○○と××」のように、二つの何かがペアになった絵がやけに多かった。

その中で、最初に何かがつながった「割りたい」という絵にフォーカスして、「動詞にするとしたらどんな言葉になる?」と聞かれた。出てきたのは、「割く」 だったので、それを動きにしてみた。



順子さんの太鼓と歌が、一連の動きの間中鳴っている。両手でハートのあたりを引っ張り、「割いた」。すると、びっくりするほどリアルに、まるでカーテンを両手で開けたときのように、ハートに風が入り、心臓が冷たく感じたのだ。

そこに、彼女の歌が流れ込んでくる。すると今度は、背中にも胸と相似形の小さな風穴があき、まさに、ハートチャクラの部分が「開いた」のを感じた。

涙は勝手に流れた。そして、私の口から歌が流れ出した。細く高い女歌で、古い記憶の中でいつも歌っていたであろう歌だ。歌う私の周囲には、ネイティブの女 性達のスピリットが集まっていましたよ、と順子さんがあとで教えてくれた。それは体感とも合致していて、私は歌う女達の一人として、ただ一心に息吹に響き を乗せていたのだ。

昔私はずっとこうしていた。とても大切なことだった。そうして歌っているときの私には、焦りも悲しみも怒りもなく、大切で楽しいそのつとめを、無心に行っているだけだったのだ。

セッションを終えてもう一度、最初に引いたカードを見たとき、暑苦しくしんどそうに思えたそのカードの人物が、水の中でさえも炎のようなエネルギーを持っ て進んでいける、力強く頼もしい人に見えるようになっていた。全くカードは変わっていない。変わったのは私の意識だけだ。

そして、セッションを終えたあと、順子さんと二人、広瀬川の河原へ行って太鼓をたたき、歌を歌った。川の神様に捧げたかった。空の高いところに鳥が飛んで いた。周りは普通に夏の夕方を楽しむ人たちの世界だ。その中で、ただ、湧いてくる歌を歌った。高く、低く、何の思惑もなく、流れ出す声と旋律を、ただ捧げ た。

起こったことはこうしたことだった。その体験を経て、今私の中でどんなプロセスが進行しているかは、今の私には見えない部分もあるが、やがて、姿を現すであろう、と確かに思う。

はっきりわかったことは、ただ、起こることを信頼して身を任せるとき、「繊細でありながら、大らかに、クリアに、リラックスする」という状態を体験できる のだ、ということだ。気づかぬうちに思考を離れ、子供の頃のように、無心にただ在る。自分と世界の間にずれがない。その、愛に満ちた世界。

私は、自分自身とつながる時間の大切さと、それを実現する「失われた記憶」を思い出したい。大切な大切な、何かを、ゆっくりと思い出していきたい。今はその道の上にいる、と思う。

ガイドしてくれた順子さんに、心から愛と感謝をこめて。

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