2010年1月22日

実は何も知らない

2008年10月2日、夢でこんな言葉を受け取った。

「プロセスをすべて知り尽くしたと思ったとき、知っていると思っても、知っているつもりで実は何も知らない」

何かとてつもなく大きな存在からのような響きだった。

プロセスとはいのちの成長のプロセス、大いなる存在と一体になるためのプロセスのことだろうか。

後に女性シャーマンへのインタビューを綴った本(Shape Shifters)を読んでいたときに、こんなことが書かれていた。私なりに訳してみた。

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「これがおまえが知っていること」そういって、弟子を前にある賢者が小さな円を描いた。この円の輪郭は、知っていることを超えたところにある未知(不可知)の世界に触れる部分。円が小さいと未知に触れる部分も小さいのだ」

賢者はそれより大きな円を描いて言った。「これは私が知っていること。おまえのよりも大きいが、未知に触れる部分はさらに大きいのだ。
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つまり、知れば知るほど「知らない、知ることのできないこと」も増える。

本を読んで知ったつもりでいることは、何て浅はかなことだろう。実用的なことは別として、心の世界において知識はそんなに役立つだろうか。

実際、人の心に寄り添ってみれば、何が出てくるのか、どこへ行くのか一寸先もわからない。岡部明美さんのセミナーを受けてみて、体験してみてそう思う。「今ここ」に集中することがどれほど重要であるか。

ハコミセラピーには7つの原則があり、そのひとつが「すべては常に変化している」ということ。シアトルのハコミの先生は、「クライアントがあることを口にした次の瞬間には、先へ行っているから気をつけて」と言っていた。本人の口や表情、しぐさから出たその瞬間瞬間を捉えるしかない。これはもう、知識なんてあまり役に立たない世界だと思える。

岡部さんがおっしゃるように、ここには完璧はない。1+1=2のような答えは出てこない。ここに関わる者すべてが共に成長し続けてゆくだけなのだろう。

前に進んだり、後退したり、横にそれたり、全く関係ないと思われるものが出て来たり、それでも全体としてひとつの方向へ流れているのだろう。

自分は何も知らないということ、不可知の世界、大いなるプロセスに敬意を表したい。

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