2009年1月18日

We Have Come A Long Way


遅々とした歩みであっても、それでも私たちは前進している。人類進化の道を歩んでいる。

We have come a long way・・・ここ数日、心の中で響いているこの言葉。

振り返ってみると、私たちはずいぶん長い道のりを歩いてきたものである。

オバマ氏の大統領就任式の第一日目が始まった。歴史的な転換点を迎える象徴的な日。

1792年に着工したホワイトハウスの基礎部分は、黒人奴隷が工事を担った。就任式の出席者で埋まるスペースは、当時、奴隷労働者が寝泊りする場所だったという。黒人大統領が誕生する日が来るとは誰が思っただろう。

実は、このことを予言するかのように語っている人がいた。10年ほど前に「インディアンの大予言」という本が友人から回って来た。この本は1994年に出版されたものであるが、その中で著者のサン・ベア (チペワ族のメディスンマン) は、アメリカに女性の大統領または黒人の大統領が誕生する時、アメリカは生まれ変わるというようなことを言っていたのを思い出す。

<写真:霧の中の日の出>

クリントン氏が勝利すれば、女性大統領の誕生もあり得たかもしれない。私はこの本を読んだ時、まさかそんなことが起こるなんてとても考えられないと思ったが、奴隷解放宣言をしたリンカーンの生誕200周年である今年、黒人大統領の誕生が現実となった。

奴隷が当たり前の時代があった。女性に選挙権がないのが当たり前の時代もあった。そんなことがまかり通っていたなんて、今では考えられない。時の流れを感ぜずにはいられない。

もちろん、今でも消えていない差別は数々ある。流れに抵抗する力はいつの時代でもあるものだ。

夫は昨年、ボランティア活動でオバマ氏に一票を投じるよう、フロリダのある地域を一軒一軒回った。そのときに「黒人に投票なんてするか!」とわめいてドアを乱暴に閉める人や、「地獄に堕ちろー!」と叫ぶ人もいたという。

アメリカに住んでいると(特に田舎では)、根強く残る人種差別を感じずにはいられない。日本人も差別の対象になることがある。反日感情を表す「Remember Pearl Harbor (真珠湾攻撃を忘れるな)」はあまりにも有名な文句。

憎悪や恐怖、それは誰でも持つ感情。そこからできた無数の壁。人種差別だけでなく、あらゆる面で摩擦や緊張を引き起こす。

私たちは、歴史という流れの中で生じた出来事で体験した感情から、さまざまな制限や枠を作ってしまった。その制限を取り壊していくのは、やはり、それを作った私たちに他ならず、一人一人に変化をもたらす力があることを信じて、自分の人生に、そして社会に、積極的に参加することから始まるのであろう。

私たちはずいぶん長い道のりを歩いてきた。過ちを繰り返しながらも、今日よりも明日の方がよくなることを願って生きてきた。それは個人レベルでも、国家レベルでも同じである。

自ら作った制限や枠を超えることができたとき、私たちは真に新しい世界に突入できるのであろう。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

素敵な写真ですね!
いつもブログを読ませて頂いております。
ありがとうございます。

1月8日のブログは『同感だなァ~!』と
思いながら読ませて頂きました。

これからも更新されることを楽しみにして
おります。

匿名 さんのコメント...

いつも読んでくださってありがとうございます。

みんなで励まし合って助け合って、そして今を楽しんで生きて行きたいですね。

コメントありがとうございました。