2008年6月26日

地縛霊は友達?!(2)

それから4ヵ月後、シャーマンのデブラさんの家を訪れた。その頃私は、いっこうに改善しない極度の冷え性をはじめ、今後の自分の活動や夫との関係に関するガイダンスを求めていた。

デブラさんについては、信頼できるシャーマンであることをその2年ほど前からサークルの仲間を通じて聞いており、連絡情報をもらっていたが、そのときはまだ必要性を感じず、ずっと机の片隅にしまってあった。しかし、いよいよそのときが来たと思い、連絡を取った。

デブラさんはシベリアのシャーマンの弟子になって修行をした後、自宅でオーラリーディング、シャーマニックヒーリング、ドラムのワークショップなどをしていた。私はオーラリーディングに興味があったので、それを依頼した。

あらかじめ質問したいことを準備していたが、それはすべて自分の健康問題や人生に関するものであった。デブラさんは、まずエネルギーに繋がってから質問を受けて、その時空にアクセスするようである。通常、ガイダンスはイメージや色などのメッセージ性を持った抽象的な形で現われると説明してくれた。彼女を通して伝えられるメッセージはどれも深く、私にとってはすべて強く心に残るものばかりであった。

さて、自分が用意した質問が一通り終わった時、ふと、先回帰郷した際に病気になったことが思い出された。すると、そのことはここで話題にするべきものであるかどうかを判断
する間もなく、質問が勝手に口から出ていた。

私 「あの~、今年の5月に実家に帰ったときに2回病気になったんですが、あれは何だったんでしょうか」

デブラ 「ちょっと待ってね、見てみるわね」(目を閉じる)

私 「・・・・・」

デブラ (ニッコリして)「実家の付近にスピリットがいるわね、地縛霊よ。それがいるから体の調子が変になるみたいね」

私 「それって憑依されたってことですか。それは悪霊だったんですか」

デブラ (目を閉じてさらに詳しく見ている。しばらくして、首を振って)
「いや、そんなんじゃないわね・・・・(ニヤッとして)そのスピリットはあなたのことが好きみたいよ」

私 「えっ好きって?!」

デブラ 「うふふ(目を閉じて、まるで楽しいものを見ているように笑う)・・・ほら、例えば、小学校のクラスで、自分は全然気がないのに向こうが好きで、ちょっかいを出してくる子っているじゃない、そういう感じ。あなたのことを可愛いと思っているのよ」

私 「か、かわいい?!(そんな、霊に可愛いと思われても嬉しくない!)」

私 「それで、12月にまた帰るんですが、もう大丈夫でしょうか」

デブラ 「いや、また来るわね」

私 「ということは、また病気になるってことですか」

デブラ (淡々と)「まあそうね」

私 (「まあそうね」って人ごとだと思って・・・あのときのことを思い出すと、気が重くなった)「それじゃあ、どうすればいいでしょうか(弱気になる)」

デブラ 「そのスピリットが好む場所におびき寄せて、そこに相手が好きな物をお供えするのよ。まず、そのスピリットが何が欲しいか聞いて、それを探すの」

私 「どういう物ですか」

デブラ 「例えば、果物とか花とか、木とか石とか、色かもしれないし。いずれにしても、そのスピリットが好きな物で、それはあなたが探すのよ」

私 「はあ・・・(混乱する)」

デブラ 「そして、そのスピリットが好きな場所があるから、それも探すの。家から大体半マイルくらい離れた所ね」

その瞬間、ある神社が頭に浮かんだ。でも、それはあまりにも瞬間的だったので、そこが正しいのかどうかわからなかった。まあいいや、時間があるから後で考えよう。半マイルの範囲で絞ることもできるし・・・。

デブラ 「だから、そのスピリットが好きな場所と物を選んで、おびき寄せて交渉するのよ」


私 「交渉?」

デブラ 「そう、そのスピリットを呼び寄せて、『あなたが来ると私は病気になるから、来てもらうと困る。でも、あなたの好きな物を持ってきたから、それと交換に、ここにいて私には近寄らないで』って話しかけるのよ」

私は自分のするべきことを頭の中で整理しようとしていた。そんなことは一度もやったことがないし、それをすること自体思いも寄らなかった。場所に関しては、なぜかそれほど心配にはならなかったが、好きな物についてはまったく見当もつかない。

私 (心もとない声で)「あの~、さっき好きな物は果物とか花とかっておっしゃいましたけど、そんなこと、私わかるのでしょうか」

デブラ 「あなたのガイドに聞いてみれば、きっとわかるわよ」

私 「・・・」

すっかり弱気になっている私をチラリと見て

デブラ 「例えば赤い布だったり」

その言葉を聞くやいなや、私の眉間の前に、シルク地のような光沢のある赤い布がヒラリと揺れた。そのイメージは背景も含め全体が光っており、かなり詳細であった。ハンカチほどの大きさで、細かい模様が入った品のよい赤。着物の生地を思わせる。同時に、音にならない鈴のような音(波動音と言った方が正しいかもしれない)が聞こえたように感じた。

直感的に、これだ!と思った。デブラさんは、その私の反応を読み取っていたようであった。

そして、別れる前にデブラさんはこう言った「結局のところ、プロテクション(霊から身を守る)というのはテクニックじゃなくて、霊的に賢くなること。それは、強い心と魂を持つってことよ」

家に帰ってこれからやらなければならないことは、あの赤い布を探すことである。そして、その霊が好きな場所を見つけること。今度日本へ行くまでに、まだ3ヶ月の余裕があった。

私は、この難題を無事にクリアすることができるだろうか。

しかし、他にも知っておくべき情報があったようで、それは、ごく自然な形で与えられた。1ヵ月半後、私はある書店の講演会場に座っていた。

<つづく>

0 件のコメント: