2013年9月20日

天から降ってきた豊穣のかご

いきなり円錐状のカゴのようなものが天から降りてきたと思ったら、円錐の中心へと指が動き、指はそこから渦を描きながら、ものすごいスピードで跳ねるように踊り始めた。

私にとって初めての体験だった。描かれたものを見てみると、何かの文字のようである。これが自動書記と呼ばれるものなのか。

タッチドローイングは様々な体験をもたらす。場や参加者のエネルギー、自分の意識の状態によって描かれるものの深さが異なる。

5泊6日のリトリートでは、様々なワークと組み合わせて絵を描き続けることで、意識は個人レベルから集合意識へ、そして惑星レベルへとごく自然に流れていく。

自然豊かな島の森の中にあるラビリンス(迷宮)の中心で奏でるクリスタルボウルの音とともに、周りで30人余りの参加者が祈り、中心に向って人類の未来への希望を投げかけ、外側から内側へ、その後中心から外側へと歩く瞑想を行った。このラビリンスは、1220年にフランスのシャルトル大聖堂内に作られたものが原型となっている。

中心に到達したら、そこで絵を描くことができる。感じ取った音を声にして発するという能力を持った一人の参加者が、ラビリンスの中央に到着するとそこに仁王立ちになり、天に向って手を伸ばして数分間音を発した。私はそれを感じるまま絵にした。

オオーーッと地中から鳴り響くような低い音から始まった声は、あるときアアアーッと突然高い音へと切り替わった。その瞬間、私たちがいるラビリンスに向って、天から何かが降りて来るのを強く感じた。「豊穣のかご」という言葉が浮かび、私は円錐状のものを描いていた。

声 は今度はさらにキンキンと高い調子でリズミカルになり、それとともに私の体は歓喜の興奮で熱を帯び、頭頂に太い柱が立ったような感覚になった。円錐の中央 で渦を描き始めた指は、震えるように何やら細かく動き出したと思うと、そのリズムに合わせて勢いよく中心から時計回りの渦状に跳ねるように動き始めた。

「指踊り」は楽しくて気持ちよい。20秒にも満たなかったと思う。ものすごいスピードで紙の上を踊りながら駆けていったという感じである。

描いた後で見てみると、でたらめに指を動かしていただけなのだが、ひとつひとつユニークな形をしている。声を発した女性は、それはある種の「伝達記号」だと言った。私は何が何だかさっぱりわからない。ただ指が気持ちよく動いただけであった。

よく見てみると、サンスクリット文字のひとつと同じ形のものがあり、動物の形をしたようなものもある。それは宇宙から降りてきたのか、それとも地球のものなのか?

気功師の友人によると、温かくて良い波動が出ており、出力と入力が同時に起こっている感じがするとのことだ。

また、何人かの人はこれを見た瞬間「それはcornucopia (“コーニュコピアと発音) だ」と言った。聞いたこともない言葉だったので調べてみると、Cornucopiaとは、ギリシャ神話のゼウスに由来する「豊穣のツノ」のことで、作物の収穫や繁栄、精神性の豊かさを象徴し、ガイヤ=地球の豊かさが具現化されたものであると説明されている。

角の形をした籠で表されているものが多く、写真をアップするが、それは描いたときに感じた「豊穣のかご」とピッタリ一致しているので驚いた。

絵 を描いてからおよそ2ヶ月。今日改めて絵をじっくり見た。今こうして文字にすることで自分の中で整理していると、確かにこれは声とともに天から降りてきた が、豊穣の籠の中には農作物ではなく、象形文字やら梵字のような、歴史を通して大地とともに人類が育んできた叡智のようなものを感じる。

ラビリンスの周りで行った私たちの祈りへの答えとして、天は私たちがすでに持っている豊かさを伝えるために、声を通してこの籠を届けてくれたのか。

秋の収穫を迎えている今、私は思う。
蒔いた種を刈り取る。人類は一体どんな種を撒いてきて、何を収穫しようとしているのか。
豊かさから蒔いた種は、豊かさの種を作る。自分のために、未来の子供のために、これからはどんな種を蒔き、何を収穫したいか。その答えはすでにひとりひとりが持っており、それぞれ自分の中にある。

ここまで書いて、自分なりに結構満足しているが(笑)、別の友人は「この絵をTシャツにして着ていたら、誰か意味がわかる人が声をかけるかもね」なんて冗談まじりに言った。なるほど、それはグッドアイデアかも!





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