「絵を描こうとしないで・・・・形にしようとしないで・・・ただただ今感じている感覚に忠実に・・・今自分の中で起こっていることを丁寧に感じてみて」
タッチドローイングの創始者であるデボラ・コフチェイピンさんが、白い紙に向かう参加者を優しく誘導する。
「何を感じてもいいのです。考えることをやめて、ただハートに意識を向けて。そこで今感じることを手や指の動きで表すとしたら、どんな動きになりますか?」
絵を描こうとしないでと言われると、少し戸惑う。最初に構図があって、絵を描くことにあまりにも慣れているからだ。しかし、紙に触れる指をマインドから解き放し、ハートへと近づけると、手はためらいながらも動き始める。ゆっくりと。それは、暗闇の中を手探りでうごめくようなものかもしれない。
稲妻と混沌 |
混沌とした世界をくぐると、そのうち感情が出てくる。怒り、悲しみ、恐怖、嫌悪・・・感じるままに、ひたすら描き続ける。子供の頃の記憶が出てくることもある。
哀しみ |
突然体のどこかが痛み出すこともある。そしたら、その痛みを描いてみる。するとちょっぴり楽になって、別のものを描きたくなる。楽しさが出てきて、指をもっと大きく動かして遊びたくなる。
広がるハート |
突然、壁がやってきて何も描けなくなることもある。そしたら、壁を描けばいい。描くと、壁が動き始める。
いきなり、空の中にいることもある。山や川、渦巻き銀河が出てくることもある。描きながらそれを感じていると、次に何かが出てくる。
そうやって、心の中で起こってくることをひとつひとつ忠実に描いていく。
内なる成長 |
タッチドローイングは、今起こっていることが連続したプロセスそのものである。これは、心という深い海の中に潜って、そこで起こっていることにビデオカメラを向けて録画しているようなものである。
録画が終わったら、今度はそれを巻き戻して最初から見ていく。ひとコマひとコマにタイトルをつけてみる。色を付けてみてもよい。このひとコマから繰り広げられるストーリーを書いてみてもよい、踊ってみてもよい、音にしてみてもよい。
ドリームタイム |
自分の中に色々なものがあることを知るだろう。怖れていたものは、そんなに怖いものではなかったことを知るかもしれない。ああ自分の中にこんな感情があったんだ、と思うかもしれない。あるいは、同じものが何度も形を変えて複数の絵に出てきているかもしれない。山や木を描くと同時に、それとの一体感を感じるかもしれない。自由な遊び心、子供の頃の感覚を思い出すかもしれない。
そして、作品を最初から最後まで順に並べていくと、それが大きなメッセージを秘めたひとつのストーリー、または、これまでの人生のストーリーになっていることに気づくかもしれない。あるいは、作品の中に、自分の可能性や創造性を見出すかもしれない。
タッチドローイングは、今感じていることが連続したプロセスそのものである。創始者のデボラさんは、タッチドローイングを「魂が表現する絵」と呼んでおり、全体性へと導く癒しのプロセスそのものであると言っているが、確かに、自分という世界を描くとき、そこには深遠なメッセージが秘められているのである。
5月に岡山にて、岡部明美さんのカウンセラー・セラピスト養成講座仲間でありHeart of Life代表の文殊さんと、大分では、同講座仲間の椋梨晶子さんと、それぞれお二方の主催で、タッチドローイングにそれぞれお二方のオリジナルワークを織り込んた2日間のコラボによるワークショップを開きます。
岡山 5月19日(土)・20日(日)予定。詳細は追ってお知らせします。
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